腰痛がない人の64%の椎間板にダメージ
椎間板の異常やヘルニアの原因についての医学論文で、本編では紹介しなかった有名なものについてご紹介します。
椎間板に異常がない人は36%と少ない
腰痛を経験したことがない98人(20~80歳)を対象に、すべての腰椎のMRI診断を検証した実験があります。
その結果、64%に椎間板に異常が見つかりました。つまり、腰痛がない多くの人に腰椎のヘルニアは見られることが判明しました。
もう少し細かく書きますと、1つ以上の椎間板の膨隆が52%(2つ以上が38%)、椎間板突出(突出ヘルニア)が27%、髄核の脱出(脱出ヘルニア)が1%の割合になります。
そして、年齢と共に椎間板膨隆の割合は増え、肉体労働などの活動を行っている人に椎間板突出(突出ヘルニア)は多く見られたという報告もあります。
また、14%に線維輪の欠損が見られ、背骨と背骨の間の関節炎が8%、脊椎分離症とすべり症がそれぞれ7%の割合で見られました。
他の有名論文との違い
他の有名な論文と比べると、髄核の脱出を伴う脱出ヘルニアの割合が非常に少ないことと、力仕事などの肉体労働の人に突出型の椎間板ヘルニアは多く見られたという点が異なります。
腰痛がなくても椎間板の膨隆(ダメージ)やヘルニアが起こるという点では、他の論文とも同じ結論になっているので、この部分に関しては医学的根拠もあると言えるのではないかと思います。