年齢によるヘルニアの原因と違い
10歳代で椎間板ヘルニアの症状に悩まされる場合は、生まれつきの変形が関係するかもしれません。
約20%に生まれつきの背骨の変形
腰椎の椎間板ヘルニアで手術を受けた、20歳以下の101人についての医学論文があります。
それによると、背骨と背骨の間の関節(腰椎の椎間関節)は本来、左右対称の形をしているのですが、そのバランスが崩れて変形しているものが12例見つかりました。
さらに、背骨が正常の形にならなかった二分脊椎が8例見つかり、その他も含めると合計で23例の背骨の変形が見つかりました。
40%以上に生まれつきの背骨の変形
他にも、椎間板ヘルニアの症状を持つ20歳以下25人と、30~49歳33人にCTを使った検査を行い比較した研究もあります。
その結果、20歳以下では41%に背骨と背骨の間の関節(腰椎の椎間関節)の左右非対称(変形)が見つかり、30歳以上の人たちには8%しか見つかりませんでした。
研究にバラつきもありますが、背骨の生まれつきの変形が『10歳代で起こる若年性の腰椎椎間板ヘルニアと関係する』のではないかと、現在では言われています。
青年期と60歳以上の違い
椎間板ヘルニアは、青年期だと髄核が後方に突出もしくは脱出して神経を『圧迫』するケースが大半です。
しかし60歳以上になると、腰椎の表面にある軟骨終板や線維輪による神経の『絞扼(締めつけ)』が増えてきます。
年齢によるヘルニアの原因まとめ
椎間板ヘルニアが10歳代で出る人の場合は、生まれつきの腰椎の変形なども含まれ、青年期は一般的な突出ヘルニアや脱出ヘルニアによる神経圧迫が多く、60歳以上になると神経を締め付ける『絞扼』が増える、という違いがあるようです。