腰痛治療大辞典【病院で教えない腰の痛みの原因】

腰痛治療大辞典【病院で教えない腰の痛みの原因】

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脊髄損傷の原因と症状

背骨は、首の骨である頚椎が7個、肋骨のつく胸椎が12個、腰椎が5個あり、その1つ1つの間から、脊髄の枝である脊髄神経が出ています。

症状

脊髄に損傷(ダメージ)が起こると、損傷された位置により症状の出方が変わってきます。

さらに、脊髄は頭から足先に流れているため、脊髄の上の方(頭に近い側)が損傷すると、そこから下の部分の機能にも障害が起こります。

損傷度合いによる分類

脊髄損傷は『完全型』と『不完全型』の2つに分けることができます。

完全型とは、脊髄の損傷度合いが強く、体を動かす運動機能、痛みなどを感じる感覚機能、汗をかいたり体温調整をする自律神経機能をほぼ完全に失った状態になります。

不完全型とは、脊髄の一部の損傷や圧迫などにより、運動機能、感覚機能、自律神経機能の一部を失っている状態を指します。

脊髄損傷は個人差が大きいですが、一般的な内容だとこのような症状になります。

原因

脊髄損傷の原因でもっとも多いのが、交通事故などで背骨に強い衝撃を受けた場合です。

また、脊髄損傷に似た症状を引き起こす原因として、椎間板ヘルニアによる圧迫などの背骨の病気や、がんなどの腫瘍を含めた内臓疾患なども考えられます。

ただし、一時的な圧迫程度では、完全型の脊髄損傷のような症状が出ることは考えにくいです。

損傷部位による症状の出方

脊髄損傷は上に行けば行くほど広い範囲の症状が出るので、頚椎の損傷が非常に問題になります。

ただ、こちらは腰椎の椎間板ヘルニアの項目になりますので、腰椎が損傷されたときの症状について書きたいと思います。

脊髄損傷は個人差が大きいと言われていますので、『教科書どおりの内容』だと思い参考程度に思っていただければ幸いです。

第1腰椎(L1)の脊髄損傷

股関節を少し曲げること以外は両足が麻痺(動かせない)
鼠径(そけい)部より下は触られても感覚がない
★膀胱や直腸を自分の意思では動かせない(このページに記載されている全ての脊髄損傷で共通する症状)

第2腰椎(L2)の脊髄損傷

股関節を曲げること以外は両足が麻痺(動かせない)
太ももの前側の真ん中より下は触られても感覚がない

第3腰椎(L3)の脊髄損傷

座った状態で太ももを上げる、膝を伸ばす以外は両足が麻痺
膝より下は触られても感覚がない

第4腰椎(L4)の脊髄損傷

L3の状態+つま先を上に反らす動作 以外は麻痺
足の甲やすねの骨は触られても感覚がない(内側はあり)

第5腰椎(L5)の脊髄損傷

お尻や足の外側と後ろ側、足の裏の筋肉の麻痺
すねの外側や足の裏側の感覚が両足ともない

第1仙骨(S1)の脊髄損傷

杖や装具などの使用で歩行や日常生活はできる
足の感覚はあるが、肛門周辺の感覚がない

治療

脳や脊髄は、1度損傷してしまうと現在の医療では修復できません。

治療としてはリハビリを行いますが、症状の改善を目指すものではなく、その目的は『麻痺が起こらず使える筋肉を有効に使い生活できるようにすること』をメインに行われています。

再生医療も含めた新しい治療法などが少しずつ研究されていますが、そこに期待する部分が大きいのが現実です。


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