腰痛治療大辞典【病院で教えない腰の痛みの原因】

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腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎の椎間板ヘルニアについて、『症状』、『原因』、『治療』、『手術』、『治るまで』の5つの項目に分けて説明します。

腰椎の椎間板ヘルニアを説明するにあたり、まずは『腰椎』と『椎間板』の説明から入りたいと思います。

【参考】医学的根拠と引用論文について


腰椎とは?

腰椎とは『腰部分の背骨』のことを言います。

背骨は『首部分の背骨である頚椎(けいつい)7つ』と、『背中部分の背骨である胸椎(きょうつい)12個』、『腰部分の腰椎が5つ』が集まり、脊柱(私たちが一般的に『背骨』と呼んでいるもの)をつくります。

5つある腰椎は、上から第1腰椎、第2腰椎と数え、一番下が第5腰椎と呼ばれます(背骨は変形の多い部分なので、腰椎が4つしかなかったり、6つあったりする方もいます)

また、腰椎は英語でLumber(ランバー)と呼ばれるため、第1腰椎をL1(えるいち、えるわん)、第5腰椎をL5(えるご)など、『L+数字』で表記されることがあります。


椎間板とは?

椎間板とは『腰椎と腰椎の間にある軟骨』を指します(腰椎以外にも、頚椎・胸椎の間にも椎間板はあります)

椎間板の役割は(医学的な話をすると)様々ありますが、とりあえずは2つだけ知っていただければ大丈夫です。

1つは『衝撃を吸収するクッションの役割』で、もう1つが『上下の腰椎をくっ付ける接着剤の役割』です。


椎間板の構造

椎間板は、『線維輪(せんいりん)』と『髄核(ずいかく)』の2つで構成されています。

イメージとしては、『バウムクーヘンのような形の線維輪』の中心に『ゼリーのような髄核』が入っています。

バウムクーヘン状の線維輪は、アキレス腱や靭帯などに近い頑丈な成分(線維軟骨が主体)で作られていて、ゼリー状の髄核をしっかり包み込んでいます。


椎間板ヘルニアの起こり方

しかし、椎間板に長年の負担がかかり続けると、丈夫なバウムクーヘン(線維輪)が少しずつもろくなってきます。

そうすると、ゼリー状の髄核が動き出して、結果として腰椎の椎間板ヘルニアを起こします。

【参考】椎間板ヘルニアの種類(ヘルニアの出方)


ヘルニアとは?

ヘルニアとは本来、『突出する』『脱出する』というような意味なので、髄核(ゼリー)が線維輪(バウムクーヘン)から突出したり脱出したりする状態を指します。

そのため、腰椎の椎間板ヘルニアとは、腰痛や坐骨神経痛などの足の痛みや症状を意味するわけではありません。


腰椎ヘルニアの割合

ある研究では、腰痛や坐骨神経痛(足の痛み)の経験がない20~30代の『5人に1人』が、MRIによる画像診断で腰椎に椎間板ヘルニアが見つかりました。さらに、60歳以上になると『3人に1人』の割合にまで増えていました。

このような医学論文も多数出ているため、『椎間板ヘルニアと痛みは必ずしも関係しない』という考え方が医学会での主流となってきています。

※私も腰痛や坐骨神経痛の症状は持っていませんが、(難病が疑われた際に撮影した)MRIで腰椎の椎間板ヘルニアが見つかっています。


椎間板ヘルニアと腰痛・坐骨神経痛

そのため、病院でレントゲンやMRIなどを受けて『椎間板ヘルニア』と診断されても、坐骨神経痛などの強い足の痛みがなければそれほど気にする必要はありません(日本整形外科学会もそのような診断を医師に推奨しています)

ただし、椎間板は『衝撃吸収のクッションの役割』をしているため、腰に負担のかかる姿勢は避けておいた方が安心だと思います。

【参考】腰椎椎間板ヘルニアの男女差と年齢


腰痛の症状だけだと画像診断は推奨されない

日本整形外科学会は、『強い足の痛みやしびれ』がなく『内臓の病気』も考えにくい『腰痛だけを訴える症状』の場合は、『椎間板ヘルニアの診断』のためにレントゲンやMRIなどの画像撮影を推奨していません。

その理由は大きく2つあり、1つは『レントゲンでは椎間板ヘルニアを写すことができないこと』と、もう1つは『ヘルニアは腰痛の原因と関係ないこと』にあります。


椎間板ヘルニアの診断にはMRIが有効

ただ、坐骨神経痛などの足の痛みやしびれがあり、椎間板ヘルニアが疑われる症状の場合は、MRIで原因を特定するのが最も正確だと言われています。

※CTも『MRIと同程度に椎間板ヘルニアを診断できる』との研究結果が出ていますので、症状や状況によってはCTが使われる場合もあります。

また、背骨の変形や癌による骨破壊などによっても『坐骨神経痛に似た足の痛みやしびれ』が出ることもあるので、それらの病気と見分ける意味でも、MRIと同時にレントゲン撮影をしておくことも推奨されています。


48時間以内に手術が必要な馬尾症候群

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、初めは強い坐骨神経痛があっても、痛み止め薬などの保存治療や時間の経過で、多くの方が普通の生活を送れるようになります。

ただ、早期の手術が必要になる『馬尾(ばび)症候群』という症状もあり、以下の兆候が急に出てきた場合は、すみやかに整形外科を受診するようにしてください。


馬尾症状の特徴

  • 尿失禁などの排尿障害(膀胱機能の消失)
  • 便失禁などの排便障害(腸の機能消失)
  • 性機能不全・麻痺(ED・インポテンツなど)
  • 起立困難(運動麻痺が起こり立ち上がれない)
  • 自転車のサドルがあたる部分に強い感覚異常

決して多く見られる症状ではありませんが、48時間以内の治療が『後遺症を残しにくい』という医学論文もいくつか出ていますので、思い当たる方は緊急で病院に向かってください。

【参考】馬尾症候群とは?

次からは、腰椎椎間板ヘルニアの症状についてお話したいと思います。


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【次】椎間板ヘルニアの症状